車いすボクシング連盟では、テニス、バスケットなど競技用車いすを扱う世界的に有名な企業である株式会社松永製作所様と共同で車いすボクシング専用の車いすを開発しました。他競技でのノウハウを大事にしつつ安全性の担保と競技性を高める工夫を行いボクシングに適した車いすを作り上げています。


車いすラグビーや車いすバスケットボールなどパラスポーツで使われる車いすは、ターンがしやすいように車輪が漢字の「八」の字の形に傾けられています。
車いすボクシングでは止まって打ち合うことも多くなるためパンチの勢いで車いすが回転するのを防ぐため車輪の傾きを小さくしています。
競技特性に合わせてテニスは22度、バスケットは18度になっているところを、ボクシングは10度にすることで、前後左右への機敏性を確保しつつ相手との距離を縮められるよう工夫されています。

ボクシングという競技の特性上、パンチが相手選手まで届く必要もあるため、バンパーと呼ばれる足を乗せる部分を短くしていることも特徴の一つです。

また、後ろへの転倒を防ぐため、車いす後部にはリアキャスターという転倒防止器具が通常1本のところを2本に増やしています。
重量に関しても許容範囲内を保ちつつ安全性担保を優先しています。